こんにちは、Juvenalisの一木です。今回は税理士事務所でのNotionの活用方法として「年末調整業務」を管理する方法に絞ってご紹介したいと思います。社会保険労務士でもある私も、年末調整業務は非常に身近な業務になります。いつも税理士の先生方が年末調整業務をやってくださり、その成果物としての還付金や控除額などのデータを頂き給与計算をしています。年末調整の業務自体についてはさまざまなツールが出てきており、企業も税理士の先生も業務負担は軽減されつつあると思います。私の事務所でもオフィスステーションを導入していますので、年末調整業務を企業が楽にやる仕組みを提供することは可能です。とはいえ、それはあくまでも「業務ツール」の話であり、日頃のタスクを管理していくこととは分けて考える必要があります。そしてこの日頃のタスク管理に対し、社労士業界でも税理士業界でも大きな課題を抱えていることは否定できないのではないでしょうか。税理士事務所•社労士事務所が抱えている「タスク管理」についての課題現在、社労士事務所・税理士事務所に対してNotionを導入するコンサルティングを行っています。Notionで課題を解決する仕組みを作り上げるにあたり、まず事務所内の課題をヒアリングするのですが(実際に現状の管理の方法も確認します)、個人で個別にタスク管理しているパターンや、所長がスプシやエクセルでやることを列記し、担当者に割り振っているというパターンなどが多く見られます。士業の方とは数百名以上お会いしていますが、システマティックに事務所のタスク管理をされている方は感覚的ですが1割を下回っているように思えます。ここで言う、システマティックなタスク管理とはタスク管理ができている(ステータス、担当者、顧問先、投入労働時間、タスクに紐づくメモなどの情報が管理できている)誰がどのようなタスクをやっているか(またはやっていたのか、やる予定なのか)が可視化されており、所長が全体像を把握できているタスクを管理したことにより各種の情報を経営戦略として活かしきれている(顧問先ごとの月間投入労働時間数と顧問料があっているかどうか、など)最低限でも上記のことを管理できて初めてタスク管理ができている、と言える状態だと考えています。文章だけ読むと「日頃のタスク管理が大変そうで、複雑なことはやりたくない」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、それを負担なく作れるのがNotionです。年末調整業務をNotionで管理する具体的な方法とは今回のテーマは「年末調整業務をNotionでどう管理するか」に絞っています。税理士事務所や社労士事務所では主に次のようなタスク管理が必要になります。日々の問い合わせに対応するタスク管理毎月起こるタスク管理決まった時期に起こるタスク管理不定期に起こるタスク管理今回は決まった時期に起こるタスク管理として税理士事務所ではこれから発生する「年末調整業務」についてNotionで管理していく方法をご紹介します。大まかなNotionを使った事務所管理ページの構造は次のようになります。プロジェクト管理データベースタスク管理データベース顧問先管理データベース担当者(従業員)管理データベース年末調整管理データベース順に解説していきます。ここから下はnoteで有料記事として公開しているものと同じ記事になります。プロジェクト管理データベースとはその名の通りプロジェクトを管理するデータベースになります。プロジェクトとは「複数のタスクにより構成されるもの」という捉え方でよいと思います。例えば年末調整プロジェクトでは「株式会社A社の年末調整」というプロジェクトになり、その中に複数のタスクが内包されていることになります。理想としては顧問先を管理しているデータベースから、年末調整業務を請け負っている企業のみ抽出され、プロジェクトが作られ、タスクがプリセットされている、ということだと思います。それでは順に見ていきましょう。まずは顧問先データベースで年末調整対象かどうかのチェックを入れるプロパティを作ります。もしくは契約状況プロパティに「年末調整」を入れてもいいかもしれません。多くの税理士事務所では契約プロパティとしては「税務顧問」「決算顧問」「確定申告」などがセレクトタイプで設定すると思いますが、ここに「年末調整」を入れても良いです。いずれにしても、年末調整業務の対象の企業かどうか、が分かるようにしておきます。次に分かりやすいように「2024年年末調整」というチェックボックスタイプのプロパティを設定していますが、来年も流用することを考えると「本年度年末調整」という名前でも良いと思います。今回は便宜上、分かりやすいように「2024年年末調整」というプロパティで設定しています。顧問先DBにチェックリストを追加したところで、顧問先DBにオートメーションを設定します。ここでの設定は、顧問先データベースの「2024年年末調整」というプロパティにチェックが入った場合に、次の事柄を自動化します、という設定になります。顧問先DBの「2024年年末調整」にチェックが入ったら「年末調整&確定申告管理DB」というデータベースに新規で「年調@ボタンを押した日付」という名前でなおかつ期限プロパティが「2024年12月20日」で挿入されるというオートメーションになります。このオートメーションを顧問先DBにて設定しておきます。上記の顧問先DBにてオートメーションを設定する前に新規で次のDBを作成しておく必要があります。それは年調のタスクが一覧で俯瞰してみることができるデータベースです。確定申告も同じ仕組みで管理ができるため、今回は「年末調整&確定申告管理DB」という名前でデータベースを作成しています。年末調整を俯瞰して見ることができるデータベースを作成したところで、もう一つ設定をすることがあります。それは年調DBでのオートメーションになります。年調DBに各顧問先のページが顧問先DBから抽出されて挿入されても、まだタスクが入っていません。そのタスクをいれるためのオートメーションになります。年調タスクは各顧問先で差異はありませんので定型タスクを作成して挿入する仕組みを作ります。手順はオートメーションで下記の画像のように設定します。年調DBのプロパティ「チェック」ボックスにチェックが入ったら、次のタスクを挿入します、という設定です。挿入するタスクの設定が完了したらいよいよ、チェックをいれることになります。それでは、プロパティの「2024年年末調整」のチェックボックスにチェックを入れていってみましょう。チェックを入れた途端にオートメーションが発動し、先ほど作成した年調管理DBに新規でページが作成されていきます。顧問先名もしっかりと入っています。しかし、まだタスクは挿入されていません。次にタスクを一括で登録していきます。年調管理DBの「チェック」プロパティにチェックが入ると先ほど設定したオートメーションが作動し、登録していたタスクが一斉に挿入される、という仕組みです。「年調タスク一括登録」ボタンを作成し、ボタンを押すことで一斉にチェックが入るようにしています。チェックを押していけばよいのでボタンはなくても大丈夫です。私は分かりやすいのでボタンをよく活用しています。今回は「年調タスク一括登録」ボタンを押してみましょう。タスクが挿入されました。年調管理DBにタスクが挿入されました。年調や確定申告など、日々の業務とは切り離し俯瞰して管理したい、という声は多くあるように思えます。年調管理DBでそれぞれの進捗を管理しながらも、タスク管理は日ごろのタスク管理DBにて紐づいているのでタスク管理DBで管理していきます。顧問先ごとに担当者を決めている場合、ロールアップという機能で顧問先DBから引っ張って表示させることができます。日々のタスクを一人一人のスタッフが管理していくには上図のようなタスク管理DBでの管理がお勧めです。顧問先ごとに、誰がどのタスクを抱えているか、そのタスクのステータスがどうなっているかが一目瞭然になっています。ちなみに私はタスクの開始時・中断・完了時にはボタンを押して時間計測することをお勧めしています。タスク遂行の時間を蓄積することにより、顧問先ごとにどれだけの時間を投入しているのか、スタッフ一人一人の投入労働時間はどのぐらいなのか、タスクがスタッフによって遂行時間に大きな差がある場合には何がボトルネックとなっているのかを分析することができるからです。これらの情報が重要な経営資料となってくるのです。タスクをやり始める際に「開始」ボタンを押します。すると自動でステータスが「進行中」に変わりました。現在どのタスクが進行していて、何が未着手かが一目で分かるようになっています。所長先生はこれらの情報を把握することで、スタッフへの声掛けがスムーズにいきます。またスタッフも自分のタスクが可視化されることで、抜け漏れがあるのではないかといった不安が軽減されます。タスク管理DBにてタスクをやり始めると年調管理DBのほうにも進捗度が反映されるようになっています。現在の設定ではタスクが「完了」になったものの割合をパーセンテージとバーで視覚化しています。所長先生はこれらの画面を見ることで俯瞰して数多くの年調プロジェクトを把握することができるようになります。これで年調業務を俯瞰して管理することができるようになりました。多い事務所では100社を超える業務管理をしなければならないと思います。それらを抜け漏れなく、期限に確実に間に合わせるためには私はNotionを活用することがベストだと確信しています。Notionは月額1650円のプランがあり、所長先生だけ課金、スタッフメンバーは「ゲスト」として無料で使えるようにすることが可能です。他のツール(キン⚪︎ーン)ではスタッフ数にもよりますが、月額1万〜2万円以上はすることもざらにあり、別にベンダーに月額課金で数万支払っている事務所もありますが、Notionをうまく使えば月額は1650円で運用可能です。弊社では導入フィーを頂きますが、運用費用が圧倒的にコストカットされますので、年間数十万円のコストカットは可能になってきます。税理士事務所の管理面についてお悩みの方は下記よりお気軽にご相談ください。実際に税理士事務所のNotion導入コンサルをしている弊社がノウハウを詰め込んだ管理システムを構築します。※北海道から沖縄まで全国対応しています。以下のCONTACTフォームから、お気軽にお問い合わせくださいませ。Notionのご利用を検討中の方はコチラをチェックしてみてください。https://juvenalis.jp/notionお仕事の依頼や問い合わせはこちらからサービスに関するご相談がございましたら、CONTACTフォームよりお気軽にお問い合わせください。コンタクトフォーム▼Juvenalis株式会社代表取締役 一木 信輔社会保険労務士/精神保健福祉士/人事コンサルタント[関連事業]▼社会保険労務士事務所アルモニー「クラウド管理で安心サポート」いつでもどこでも活用できる社労士サービスを提供しています!