さて、気が付けばもう今月も終わりに近づいていますが、4月~6月にかけて弊社では『世代間ギャップ』に焦点を当てた研修を行ってきました。従業員500名前後の企業を数社、それぞれ新入社員向け/管理職向け/経営層向けに分けて実施をしたので、計20回に及ぶ開催となりました。Juvenalisは研修に特化した会社ではありませんが、ストレスチェックの実施から、組織分析、年間800名ほどの従業員との対面の相談窓口を通じて得られた『現場のリアルな声』を活かして各種研修を行っています。※相談窓口の活用に関しては、こちらの記事をご参照ください。メンタルヘルスと生産性の関係とは?『外部相談窓口』ってどんな効果があるの?『対面』で心に寄り添う。外部相談窓口サービスの強み研修は、せっかく忙しい中時間を割いて受けていただくからには『机上の空論』ではなく、よりリアルな声を取り入れた知識を提供することと、座学中心ではなく思考の幅を広げるワークを多く取り入れることを重視しています。最近では、特に『世代間ギャップ』に関して苦悩している企業も多いのではないでしょうか。世代間ギャップというと、ここ最近始まった問題だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は遥か昔、約5000年前の古代エジプトから存在しているようです。このようにいつの時代にもあった世代間ギャップですが、人材育成という文脈においては少し性質が異なってきているように感じます。目次人の育て方におけるスタンスの変化とは?少し前に人材育成に関する本を探していた際、10年ほど前に書かれた書籍を発見したので手にとって読んでみたのですが、新入社員を育てる方法として『会社はつらい訓練所であることを叩き込む!』というワードも当然のように使われていて、おおっとなりました。笑他に、過去10年~15年ほど前に使われていた研修資料なども各方面から取り寄せて分析したのですが、どの資料にも『人材を会社が理想とする型にはめようとする』(今ではタブーとされる)ワードが使われていたのです。恐らく、その資料が使われていた時代にはさほど違和感を覚えなかったのかもしれませんが、今の新入社員に対して同じ研修を行ったら、もれなくブラック企業認定を受けてしまうでしょう。もちろんそういった風土の会社が好きだ!という方にはいいかもしれませんが、私が接する新入社員の方でそのような人は見たことがありません。もっと本質的な部分で、『どうやったらこの会社で自分が成長できるのか?』『成長するためには厳しい環境でも挑戦してみたい』と感じている人が多く、上記で紹介したような過去の新入社員研修とはマッチしないことは明白です。問題なのは、過去このような研修を受けて育ってきた人が、今若手社員を受け入れる職場のリーダーになってきているということです。さすがに今の職場のリーダーも自分たちが育ってきたやり方がそのまま通用するとは考えておらず、だからこそ日々模索しながら育成を行っているのです。若手社員の成長意欲リクルートや日本能率協会の調査でも、『若手社員が成長を望んでいる』ことが明らかになっています。これには雇用の流動化なども影響しています。次の職場で自分が通用するのかどうかは死活問題であり、定年制が崩壊した現代では多くの企業を渡り歩くことを前提として社内での自己成長を意識する若手社員も増えています。転職が前提で自分のキャリアを考えなくてはならないほど、雇用の流動性はここ数年でかなり高まっています。ある経営者の方が「最近の若手は転職活動をしていることを隠さなくなってきている」と言っていましたが、確かにそのような実態があるのだろうと思います。このような時代において、若手社員を育てていくためには『成長の道筋を具体的に示せるか』が重要になってきます。『会社に言われたことを文句も言わずにやれ』というスタンスではせっかく入ってくれた社員を繋ぎとめることは難しいでしょう。成長の道筋を示すために必要なこととは?若手社員へのアプローチで重要なのは、具体的な成長の道筋を示すことだと指摘しました。日ごろやっている業務の中で、具体的にどのようなスキルが身に付くかを明確に説明できるでしょうか?よく「3年頑張っているから、そろそろこの業務をやってもらおうと思っている」ということでステップアップの業務を振り、それで育成を図っているケースが見られます。しかし生き残った人は成長できますが、フィットしなかった人は転職したり、休職したりするケースがあります。生き残った人を見てそのアプローチが正しいと考えるのは生存者バイアスであり、その陰で失ったものも多いのではないでしょうか。具体的な成長の道筋を示すための王道のやり方としては、『職場の業務を洗い出し、その業務をこなすことができるのに必要なスキルレベルを可視化すること』になります。スキルレベルが可視化されることで初めて自分のスキルの現在地が分かるのです。つまり、第1ステップとして必要なのは地図作りなのです。地図がない中で、「こっちに行った方が早く目的地につけるんじゃない?」みたいな話をしているのが今の職場の問題だと思っています。このような地図作りを通して業務分析を行うことで、人材育成プログラムを作ることに繋がっていくのです。成長のフィードバックはできていますか?これは相談窓口を通じて受けた相談事例なのですが、ある方が転職しようかどうかを悩んで尋ねて来られました。内容は『自分がやりたいことと、今の職場での業務とは異なっており、業務遂行でもあまりうまくいっていない』というもの。入社して数年経っているものの、思ったようにスキルが伸びないことに悩んでいたのです。しかし会話を通じて浮き上がってきたのは、『その人はしっかりと成長している』ということでした。確かに業務スキルについては日々の中で思うようにいかないと感じる場面もあるのでしょう。しかし、他部門との折衝力やタスク管理能力、問題を洗い出す力などは確実に成長しており、そのようなことは言われるまで気が付かなかったとのことでした。そんなやり取りを通じて、『自分の成長を確かに感じることができたことで、もう少し会社で頑張ってみよう』と前向きになったようでした。本来、このようなフィードバックはメンバーのことを一番近くで見ている上司に言ってもらえたら嬉しいと思いますが、忙しくつい忘れてしまうことも多いようです。日々のコミュニケーションの中で『成長を実感できるようにフィードバックする』ことが自然とできるようになるためには、何より業務遂行のためのスキルマップが必要です。研修では何をするのか?研修は階層別に行います。特に、若手を育成する立場にある層に対しては次のことを伝え、考えてもらいます。過去の育成方法について現在の雇用流動性など社会の変化について各種調査が示す若手社員の価値観などの傾向について成長を意識した伝え方についてなどです。成長を意識した伝え方については事例を提示しますので、それについてグループでロープレをしてもらいます。自分の中にはなかった引き出しをグループワークの中で増やしてもらう意図もあります。研修後のアンケートでは以下のような声がありました。若手への指示出しなどで具体的に成長を感じられるように伝えようと思う世代でひとくくりにせず、歩み寄る必要があると感じた世代間のギャップと時代の変化についても理解できた今後はもっと積極的にコミュニケーションを増やしていこうと思うなどです。業務のスキルマップがある上で研修を行えれば最強なのですが、研修だけでも上記のような気付きを得てもらい、人を育てることに繋がっています。『若手社員の離職をどうにかしたい』『人の成長を促したい』『世代間のコミュニケーションを活発化させたい』などのお悩みがあれば、まずは思考の幅を広げる研修を取り入れてみてはいかがでしょうか?※北海道から沖縄まで全国対応しています。また、リアル研修・オンライン研修どちらも可能です。ご希望の条件などがあれば、お気軽にご相談ください。お仕事の依頼や問い合わせはこちらからサービスに関するご相談がございましたら、CONTACTフォームよりお気軽にお問い合わせください。コンタクトフォーム▼Juvenalis株式会社代表取締役 一木 信輔社会保険労務士/精神保健福祉士/人事コンサルタント[関連事業]▼社会保険労務士事務所アルモニー 「クラウド管理で安心サポート」いつでもどこでも活用できる社労士サービスを提供しています!