5月といえば、新入社員向けの各種研修が終わろうとしている頃なのではないでしょうか。弊社でも、この時期は毎年新入社員向けにセルフケア研修をさせて頂いているのですが、今回は今月実施した研修についてお話したいと思います。新入社員向けの研修として、多くの企業では「会社のルールや業務の知識、社会人としてのマナーなどの研修」が行われているのではないでしょうか。また、メンタルヘルス対策の意識がある会社ではセルフケア研修も併せて行っていることでしょう。ただ、せっかく時間も費用もかけて行ったセルフケア研修で実際にメンタルヘルス不調者を防ぐことはできていますでしょうか?「セルフケア研修」の効果は出ていますか?最近では、セルフケア研修を実施している企業も増えてきています。もしかするとメンタルヘルス対策を行っている一環で、ルーティンとして実施している会社が多いかもしれません。しかし、その効果はいかがででしょうか?効果がない(または少ない)と思われる研修としては、次のようなものではないかと思っています。なんとなく実施している座学中心で「ストレスとは…」の知識を得て終わり「なんとなく実施している」パターンが効果がない理由これではメンタルヘルス不調者を防ぐことも離職率を下げることも難しいでしょう。運営側がルーティンでやっている研修は新入社員にも伝わります。「これは流してもいいやつだ」と勘が働くのです。研修の運営担当者であれば、そのような空気感はさすがに気づきますよね。研修実施する側としては研修中・終了後に新入社員から笑顔や活力が溢れ、多くの気づきを得てもらいたいものです。そのような雰囲気を感じ取れていない場合は、残念ながら「なんとなく実施している」に当てはまってしまいます。「座学中心」パターンが効果がない理由次になぜ座学中心ではダメなのか。座学で学ぶ知識の多くは調べて得られるものです。現在は生成AIのレベルも上がっており、「ストレスとは…」のような知識はさほど大きな意味を持たなくなっています。どこかで聞いたような話を研修でしても効果は見込めません。それに人の集中力は、座学ではそれほど持ちません。聞き手の集中力が下がっている中で講義を続けても相手には届いておらず、厳しい言い方をすれば「講師の独り言」の時間になってしまっています。これらの問題に対してJuvenalisで取り組んでいることもともと、Juvenalisでは外部相談窓口という業務の中で、日々多くの従業員の方の相談にのっています。10年以上、累計7千人以上の相談を受けているため、そこから得られたリアルな課題を盛り込むことができれば、セルフケア研修の効果もあがるのではないかと考え、研修内容を変えていきました。Juvenalisでセルフケア研修を行う際、他の一般的な研修と違い次のようなことを強く意識しています。知識よりも思考の幅を広げるワーク中心横の繋がりを作ることを意識(部署を超えた人脈作り)相談窓口の案内知識よりも思考の幅を広げるためのワーク中心先程、座学中心ではあまり効果がないと指摘しました。生成AIも出てきている中で、知識を伝授する研修はさほど意味をもちません。またせっかく数時間も時間調整して実施するわけですから、高い集中力を持って能動的に取り組んでもらう必要があります。そのためにはワーク中心がベストだと考えています。Juvenalisでの研修は知識とワークが2:8ぐらいでプログラムを作成しています。「セルフケアに最も必要なスキルは何か?」と問われたら、間違いなく「思考の幅」と答えます。物事を様々な角度で捉えて解釈できる力です。仕事上でもプライベートでも腹がたったり、悲しくなったりすることはありますが、その時に重要なのはその物事自体をどう解釈するかになります。この思考の幅については専門的になってきますので、また別記事にて解説したいと思います。思考の幅を広げるには、座学だけでは限りなく難しいと感じます。実際にワークを通じて実践することで、初めて自分の思考の癖が分かり幅が広がるからです。ワークは一人で黙々とやる時間もありますが、グループで話し合う時間も設けています。やはり他者の話を聞くことで多くの気づきを得ることができます。「なるほど、そんな捉え方があるんですね」と言った言葉が自然と出てきている新入社員を見ると、気づきの瞬間に立ち会うことができて講師冥利につきます。横の繋がりを作ることを意識(部署間を超えての人脈作り)弊社では外部の相談窓口としてこれまで多くの方の相談にのってきましたが、その中で「目の前の困難を乗り切った方法」として「他部署の中のいい人に助けてもらった」という声が多いことに気付きました。部署間を超えた人脈作りを意識的に行っている企業もあると思いますが、なかなかできていないのが現状なのではないでしょうか。部署を超えた人脈をいかに意識的に作れるかは、経営者や人事部門の悩みの一つではないかと思います。そのような生の声を研修に活かしているのがJuvenalisでの研修の特色の1つです。研修中にはグループワークも行いますが、他部署の人たちと1グループになるように班分けします。集合研修などではどうしても仲良しグループで固まる傾向がありますが、それでは目的を果たせませんので、こちらでコントロールをします。また堅苦しいワークにならないようにリラックスしてお互いが仲良くなれるような雰囲気を作ることも意識しています。このようにして部署を超えた人脈作りを意識した研修をしていることで、実際に1年後、2年後でも他部署の同期に相談をすることができています。相談ができるだけでメンタルヘルス対策としては大きな意味があります。相談窓口の案内研修は「やったら終わり」ではありません。重要なのは、そこからのフォローアップです。Juvenalisでは外部の相談窓口も承っています。研修を通じて新入社員のみなさんがJuvenalisの講師を認識することで親近感が湧き、いざというときに相談する先になることができます。実際にセルフケア研修を受講した1年後に「あの時の研修を受けたものですが、相談いいでしょうか?」と相談をしてくれる方が多くいらっしゃいます。セルフケア研修を通じて「メンタルヘルス不調者をゼロにしたい」という思いで起業(前身の社会保険労務士事務所を開業)をした弊社にとって、セルフケア研修はその目標をかなえるための第一歩であり、とても意義があるものだと考えています。Juvenalisのセルフケア研修を通じて、「思考の幅が広がることで一人でも多くの人の生活が豊かになること」を願いつつ、まずは「一人で悩む人をゼロにすること」を目指しています。今回は新入社員のセルフケア研修について書きましたが、どの階層でもセルフケアは必要です。まだ実施していない、そろそろ実施方法を変えてみたい、もっと効果のある研修で社員をイキイキさせたい、そんな要望があればお気軽にご相談ください。研修・外部相談窓口ともに「全国対応可能」「オンライン可能」です。サービスに関するご相談がございましたら、CONTACTフォームよりお気軽にお問い合わせください。コンタクトフォーム▼Juvenalis株式会社代表取締役 一木 信輔社会保険労務士/精神保健福祉士/人事コンサルタント/Notionアンバサダー[関連事業]▼社会保険労務士事務所アルモニー「クラウド管理で安心サポート」いつでもどこでも活用できる社労士サービスを提供しています!社会保険労務士事務所アルモニー